
はじめまして。TULALAにてフィールドスタッフをさせて貰っている宮崎と申します。
主なフィールドは長野県の渓流や本流でトラウトを中心に季節ごとの水と魚に向き合いながらフィールドに立っています。
TULALAでは個性的なロッドが数多くあり、使えば使うほどその魅力に取り憑かれる不思議なロッドです。
この“味のあるロッド”たちを通して、釣りの奥深さや楽しさを、少しでも多くの方に届けていけたらと思っていますのでどうぞよろしくお願いいたします。
TULALAという釣りメーカー
まずは、TULALA(ツララ)というロッドメーカーをご存じない方へ、簡単にご紹介させてください。
ツララと聞いて多くの方が思い浮かべるのは、怪魚や海外遠征といったタフな釣りの世界ではないでしょうか。
ツララ最大の特徴は、あえて旧素材にこだわり続けていること。
最新素材が主流の今、その選択は決して効率的とは言えませんが、だからこそツララにしか出せない“味”があります。
旧素材が生み出す独特の粘り。
それは、魚を掛けた瞬間から手元に伝わる安心感そのもの。
強いのに折れにくい。
すぐに替えのロッドを用意できない釣り旅において、これほど心強い存在はありません。
釣りという長い旅の中で、いつの間にか「相棒」と呼びたくなる一本。
ただ魚を釣るための道具ではなく、ずっとそばに置いておきたくなる安心感を大切にしているメーカー、それがTULALAです。
怪魚ロッドのイメージが強いツララですが、実はトラウトロッドも数多くラインナップされています。
旧素材の粘りはトラウトとも相性が良く、噛みつくようなバイトを弾きにくい。
ファイト中も魚の動きに追従するように曲がり、バラしを減らしてくれます。
今回は、そんなツララのトラウトロッドの魅力を紹介していきます。
トラウトロッドの特徴

トラウトは、同じ淡水魚のバスと比べると非常にバラしやすい魚です。
そのため、トラウトロッドには適度な柔軟性が求められます。
しかし、渓流や本流では常に水の流れからの圧がロッドに掛かります。
ただ柔らかいだけでは、ルアーの操作性や感度が犠牲になってしまう。
一方で、バスロッドのような硬さでは弾いてしまう。
トラウトロッドには、相反する要素を高い次元で両立するバランスが必要になります。
一言でトラウトロッドと言ってもモデルは様々ですが、基本は「粘り強く、しなやか」。
スプーン、ミノー、スピナーといった限られたルアーだからこそ、釣り場や狙い方によってロッドの快適性が大きく変わってきます。
流れに乗せて広く探る釣り。
ピンスポットを撃ち、ここぞで仕掛ける釣り。
イワナとアマゴでも、求められる動きは違います。
魚を力で寄せるロッドが好きな人もいれば、ロッド全体でいなし、引きを楽しみたい人もいる。最初の一本であれば、掛けも乗せも無難にこなせるロッドを選ぶのがおすすめです。
ツララの強みは、あえて専用設計にしないこと。
一本で他魚種も含め、幅広く遊べる懐の深さは、他メーカーにはない魅力です。
トラウトロッドの選び方

僕がロッドを選ぶ際に大切にしている基準は、以下の3つです。
- フィールド(渓流 or 本流)
- 操作重視か、流し重視か
- 使用するルアーの重量
フィールド
渓流と本流では、求められるスペックがまったく異なります。
併用は難しく、まずは釣り場ありきで考えるのが基本です。
目安として、
渓流:4〜6フィート
本流:7〜8フィート
操作か、流しか
自分でアクションを加える釣りなら先調子。
流れに乗せて自然に見せるなら同調子。
ファーストテーパーは操作性重視。
スローテーパーは乗せ重視。
渓流や本流では、ファースト〜レギュラーが扱いやすくおすすめです。
ルアー重量
渓流では3〜6g、本流では5〜20g前後が中心。
表記スペックはあくまで目安ですが、使いたいルアーに合っているかは必ず確認しましょう。
正直、
「ただ欲しいから」
という理由で選ぶこともありますが……それも釣りの楽しさですよね。
トラウトロッド番手の選び方
ここではロッドの番手=強さ(パワー)について紹介します。
SUL、UL、L、ML、M、MH、H、XH
ロッドを見たことがある方なら、一度は目にしたことがある表記だと思います。
この番手の違いは、扱いやすいルアーの重さに直結します。
SUL(スーパーウルトラライト)→ M(ミディアム)→ H(ヘビー)と進むにつれてロッドは強くなり、
SULでは1〜3g程度、ULで2〜5g、Hクラスになると40g前後のルアーまで扱えるようになります。
ただし、強くなればなるほど軽いルアーは扱いづらくなります。
10g以下のルアーを繊細に操作したい釣りでHクラスを使うと、どうしても違和感が出てしまいます。
渓流の場合
渓流では使用するルアーが小さいため、UL〜Lクラスが最も使いやすい番手になります。
流れの強さや水量によって多少変わりますが、3〜6g前後のルアーを快適に扱えるロッドであれば、まず困ることはありません。
ちなみに、僕が現在使用している渓流用ロッドはすべてUL表記です。
ただし注意したいのが、同じULでも調子によって使い心地が大きく変わるという点。
表記だけで判断できないのが、ロッド選びの難しくも楽しいところですね。
本流の場合
本流では5〜25g前後のルアーを使うことが多く、L〜Mクラスが扱いやすくなります。
水量が多く、流れも強いため、軽いルアーでは攻めきれない場面が頻繁に出てきます。
さらに、釣れてくる魚もサイズが大きくなるため、流れに負けず、魚にも主導権を与えすぎないやや強めのロッドを選ぶのが無難です。
番手選びに迷ったら、ロッドのスペック表を見て
「使いたいルアーの重さに合っているか」を基準に選べば、とりあえずは失敗は無いと思います。
レングスの選び方
レングス(ロッドの長さ)は、釣り場の状況によって大きく変わる要素です。
短ければ良い、長ければ正解、という単純な話ではなく、
フィールドに合った長さを選ぶことが何より大切になります。
目安としては、
- 渓流:4〜6フィート
- 本流:7〜8フィート前後
このあたりが扱いやすい長さです。
ただし、同じ渓流でも状況は様々。
拓けた河川なのか、薮が多いのか、山岳渓流なのか。
川幅や周囲の環境によって、最適なレングスは大きく変わってきます。
渓流の場合
里川や山奥の渓流など、周囲にボサや木が多い場所では、
キャスト時に引っ掛けにくい4フィート前後の短めのロッドが使いやすくなります。
ただし、短いロッドは遠投がしづらく、慣れるまではキャストが難しく感じることもあります。
一方で、川幅が広く障害物の少ない場所では、やや長めのロッドの方がキャストしやすく、飛距離も稼げるため快適です。
すべての河川に合わせて専用ロッドを揃えるのは、正直予算的に厳しいですよね。
そのため、よく行くフィールドやメインの釣り方に合わせて選ぶのが現実的です。
多少の不便さは、使っているうちに体が自然と調整してくれます。
僕自身、普段は5フィート前後のロッドを使っていますが、特別困ったことはありません。
本流の場合
本流では、7〜8フィート前後が基準になります。
冬場に通っている犀川殖産でも、7フィート6インチのロッドで問題なく釣りができています。
個人的には、
レングスよりも番手やアクションの方が重要だと感じています。
渓流なら5フィート前後、
本流なら7〜8フィート。
このあたりを基準に選べば、大きく外すことはないはずです。
渓流トラウトロッドの番手紹介
レングスについて触れてきましたが、もうひとつ重要なポイントがあります。
それがロッドの継手(つぎて)です。
ロッドには、継ぎ目のない1ピースロッド、
2分割できる2ピースロッド、さらに4〜5ピースに分割できるパックロッドなどがあります。
中には伸縮するテレスコロッドもありますね。
レングスと並んで、用途でしっかり選びたいポイントです。
継手部分はどうしても硬くなる傾向があるため、
竿の曲がり方が一番きれいなのは1ピースロッドですが、その反面、携帯性は犠牲になります。
車移動がメインであれば1ピースでも問題ありませんが、
電車やバス移動となると少し不便に感じる場面もあります。
登山と釣りを組み合わせた山岳渓流では、両手を空ける必要があるため、
パックロッドはほぼ必需品と言ってもいい存在になります。
ここからは、実際に僕が使用している3本のロッドを紹介します。
Sorcier52UL

こちらは、僕が特にお気に入りにしているロッドのひとつ。
グリップ着脱式の1ピースロッドで、魚を掛けてからの曲がり方がとにかく気持ち良い一本です。
ミントブルーのブランクスに一目惚れしたのも、正直なところ。
フィールドで使っていても所有欲を満たしてくれるロッドですね。
ミノーからスプーンまで幅広く対応できますが、
調子としてはどちらかというと「乗せ重視」。
- 快適ルアーウェイト:3g〜6g前後
- 小渓流〜中規模渓流向き
キャスト時もしなやかに曲がり、
魚が掛かるとティップからベリーまで素直に追従してくれるため、
バラしにくく、ファイトも楽しめます。
渓流用として初めての一本にも非常におすすめできるロッドで、
「掛けてから楽しみたい人」には特にハマる一本です。
👉 向いている人
- 渓流釣り初心者
- 3〜5g中心で釣りをする
- しなやかなロッドが好き
Routes S56UL

こちらは4ピース構成のパックロッドで、
UL表記ながらやや強めに設計されたモデルです。
仕舞寸法は 47cm と非常にコンパクトで、携帯性は抜群。
主に、
- 山岳渓流
- 自転車で林道を上る釣り
- 登山+釣り
といったスタイルで使用しています。
癖のないレギュラーアクションで、ミノーのトゥイッチが非常にやりやすい印象。
短く仕舞えるためバッグに入れやすく、
山登りや移動の多い釣行との相性は本当に良いです。
ULクラスながらパワーもあり、
急な大物が掛かっても主導権を握れる安心感があります。
👉 向いている人
- 山岳・源流釣行が多い
- 機動力を重視したい
- ULでもパワーが欲しい
Staccato 76 LTS-HX

先調子と同調子を合わせたような、非常に個性的なアクションを持つロッドです。
スペック上のルアー適合は 3〜18g ですが、
本流の強い流れでは以下のウェイト感が特に扱いやすい印象です。
- 実使用ウェイト:5〜20g
- 快適ゾーン:10g前後
ルアー操作時は先調子のようにシャープで、トゥイッチやスプーンのドリフトでも狙ったラインをしっかり通せます。
しかし魚が掛かると一転、同調子のようにスムーズに曲がり込むため、
バラしにくく安心してファイトできるのが最大の魅力。
- ミノーのトゥイッチ
- スプーンのドリフト
- 流芯でのピン撃ち
まで幅広くこなせる、本流万能型ロッドです。
この「掛かった瞬間の曲がりの変化」は、ぜひ一度体感してほしいですね。
👉 向いている人
- 本流で10g前後を中心に使う人
- 操作性とバラしにくさを両立したい人
glissando77

こちらは、僕が初めて使ったツララロッドで、今も現役で使い続けています。
調子としては「掛けるロッド」。
Staccato 76 LTS-HXと比べると、全体的にパワー感があります。
- バット:非常に強い
- ティップ:素直に曲がる
30cm前後のトラウトではティップ〜ベリーが軽く曲がる程度ですが、
60〜70cmクラスの大型トラウトになると、バットがしっかり受け止めてくれる安心感があります。
適合ルアーウェイトは 1.8g〜45g と非常に広く、
- 本流トラウト
- 海での根魚
- シーバス
など、1本で幅広く遊べるロッドです。
👉 向いている人
- 大型トラウトを視野に入れている
- 強い流れ+重量級ルアーを使う
- 淡水・海を兼用したい
ツララの誇るトラウトを狙えるロッドまとめ
今は、安くて性能の良いロッドが溢れています。
それでも「使っていて楽しい」「なぜか安心する」ロッドは、そう多くありません。
ツララのロッドは、ただ魚を釣るための道具ではなく、長く付き合いたくなる存在です。
万人向けではないかもしれません。
ですが、その分ハマる人には深く刺さる。
操作感、バランス、魚を掛けた時の曲がり。
そして釣り場の空気まで含めて楽しみたい人にこそ、使ってほしいロッドです。

